フジミ様の金剛もエッチングを前にしてやや停滞しています。細かくて見にくい、ではなく、見えないというレベルです。そんな時、気分転換に船の本を眺めることがあります。ただ疲れ目に文字の多い本はかえってやる気を削ぎますので、こういう時は写真集に限ります。
写真は大きな方がインパクトがあります。しかし大きいだけではダメで、「鮮明」で、大きいことが重要です。好きなアイドルのポスターのピントがイマイチだったら、興ざめでしょ?
美女の写真もいいですが、ここでは艦船の写真集のお話です。手を動かしたくない時、コーヒーを飲みながら眺めたくなる写真集を、私のささやかな本棚からご紹介したいと思います。
まずは「日本海軍艦艇写真集」呉市海事歴史科学館編(ダイヤモンド社)です。1ページに一枚の写真が載っており、見応えがあります。それもそのはず、福井静夫元海軍技術少佐が生涯をかけて収集した写真の中から、選び抜いて発刊された写真集なのです。
この写真集は全部で6冊あり、全巻揃えると化粧箱がプレゼントされたんですよ。6冊だと結構な金額になるんですけど、この化粧箱に入れると所有する喜びも倍増です。でも隙間がなくて取り出しにくいのが、玉に瑕。ボロボロになるまで見倒すのがカッコイイ使い方なんでしょうけど、私の場合はまず読む前に石鹸で手洗いし、机を拭き、姿勢を正して閲覧という古文書スタイルです。さすがに白手袋はしませんけど。
次は「客船 昔と今」野間恒著(出版協同社)です。昭和49年の刊行ですのでちょっと傷んでいます。これはブックオフで入手しました。これも著者の膨大なコレクションから選りすぐりの写真を豪華本にまとめたものです。昭和49年で定価7500円は誰でも手が出せる代物ではなかったでしょう。海に浮かぶマンションのような客船ではなく、古き良き時代の客船が満載です。著者が船会社に出向いたり、手紙を書いて写真を収集されたそうですから、その行動力に脱帽です。
最後は「カラー写真で見る太平洋戦争秘録」原勝洋編著(KKベストセラーズ刊)です。題名の通り、すべてカラー写真というのが最大の特徴です。当然アメリカからの視点での撮影ですので、日本軍の写真は少なめです。ただ人物や戦闘で損傷した部分の写真も多く写っており、生々しさを感じます。第二次世界大戦時にカラーで撮影していたアメリカって、やっぱり凄いですね。
どの本も収集した方々の熱い想いが綴られています。しかし実際に写真を撮ったカメラマンの名前はほとんど記載がありません。たぶんわからないので、記載のしようがなかったのでしょう。この時代の艦船の撮影は記録することが第一の目的であり、誰が撮ったかはあまり意味がなかったのでしょうね。
時に危険な状況下で撮影したカメラマン諸氏に敬意を払いつつ、ボーっと眺めておる次第です。そんなこんなで、また道草をしてしまいました(T_T)。
それではまた。
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